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おいしい!「焙じ茶」ともう一度出会う話

こんにちは。 直近の2記事で、「在来種」と「荒茶」のお話を伝えてきました。 滋賀県 日野町・満田久樹さんは在来種を守り、これを活かした独自の荒茶をつくってくださっているのですが、今日は満田さんの焙じ茶に話を進めてみましょう。 そもそも焙じ茶って何でしょう。 スーパーなどでは非常に安く売られていますよね。でも本当に焙じ茶って、安っぽくて、適当に作られているものなのでしょうか? 今日はここからお話したいと思います。 (公社)日本茶業中央会の「緑茶の表示基準」によれば、焙じ茶の定義は次のとおり。 ほうじ茶 = 煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したもの ようするに緑茶をしっかり焙煎したものですね。 緑茶といっても、バリエーションは多様です。原料の状態や焙煎の仕方によって焙じ茶はさまざまな表情を見せてくれて、実はとてもおもしろい世界がそこに広がっています。 一番茶をぜいたくに使って味がしっかり乗っているもの。 「加賀棒茶」で知られるような、茎だけ焙じて独特の甘い香りを存分に引き出したもの。 大きな葉(番茶)を使ってさっぱりとした飲み口を追求したもの。 当店では当初から小さな焙煎機を備えて自家焙煎の焙じ茶をつくってきましたが、「農家のもとでおいしく仕上がったものを仕入れて、その人ならではの表情をもっと知ってほしい」と思うようになりました。そこで約1年間、これだ!と思える焙じ茶をずっと探してきたのです。 その答えはすぐ足元に。 それが当初より取引のある、満田さんの焙じ茶。 実際にその製造現場を見てきました。 到着するや否や、加工場から離れたところでもすでに香ばしさが…。 満田さんはふたつの

荒茶を手にこれからのお茶の話をしましょう

こんにちは。 前回の記事「在来種のお茶と満田さんの話」では、お茶の在来種ってどんなものなのかと、それを守っている農家・満田さんの話をリポートしました。 今日は当店で扱っている満田さんのお茶のなかから「荒茶」についてご紹介します。(焙じ茶はさらに次回!) これからのお茶って、こういうものが当たり前だといいのになと心から思っているものです。 --- 前回お話ししたとおり、満田さんのお茶は「在来種」。種から育った実生のお茶で、挿し木により殖やす遺伝子が同じ「品種茶」ではありません。商業茶園としては1%ほどしか残存していません。 農薬を20年以上使用しない日々の努力を重ねておられます。このような条件の在来茶園としては、さらに面積が少ないことが想像されます。 これが在来種を100%使用した荒茶(あらちゃ)。 当店では先月より「日野荒茶」という名前で紹介しています。 「荒茶って聞いたことがないけれど、見た感じでは煎茶と同じじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。よく似ていますが、違うものなのです。 煎茶は、こんなふうにつくります。 茶葉を蒸す→揉みこみ→乾燥→仕上げ(切断・ふるい分け・選別・火入れ・ブレンド) 荒茶は、こんなふうに。 茶葉を蒸す→揉みこみ→乾燥 お気づきのように、「仕上げ」をしないものが「荒茶」です。農家のもとでいったんの乾燥工程を終えた荒茶がつくられて、茶商に渡ってから独自の仕上げを経たり、ブレンドを施されたりします。 見た目がよくなかったり、 長期保存に向かなかったり、 荒茶はブレンドの原料だから単一農園産の状態では出回らなかったり、 という理由から、荒茶が一

在来種のお茶と満田さんの話

こんにちは。 ここでは何度か書いているのですが、改めて向き合いたく文章にしてみます。 わたしにも、あなたにも大切な、在来種のお話。 そしてこの在来種を守っている茶農家のなかから、滋賀県 日野町・満田さんについてのお話を。 お茶は大別して2種類に分かれています。 品種茶と在来種。 品種茶は、どれも遺伝子が同じクローン。 香味、収量、耐病性、耐寒性、早生・晩生など、様々な側面で個性あるキャラクターを持っています。各地の研究機関で茶を交配・選別し、たいへん長い年月をかけて生み出される、とっておきの選抜選手です。 クローンといっても、清潔なラボで科学者が顕微鏡を使ってつくるのではありません。挿し木といって、樹の枝を植えて発根させます。遺伝子が同じなので性質が安定します。日本で最も普及しているのは「やぶきた」という品種。 在来種は、実生(みしょう)の茶です。 クローンではなく、種から成長したお茶のことをこのように呼びます。ひとつひとつの遺伝子が異なり、品種茶が圧倒的な主流になる以前は、在来種がふつうでした。 在来種の主根は地中深く張ることで知られており、地下5メートルほどに及ぶこともあると聞きます。実物を見たことがあるのですが、大人の脚ほどの太さをしており驚愕したものです。 また土地の環境によく適応します。たとえば滋賀県東近江市 政所では、大雪となると外から導入した品種茶は重みに耐えきれず折れる場合があるところ、在来種は枝がうまくしなって無事に冬を越してしまいます。 形質が違うので病気に対する耐性もひとつひとつ異なっています。品種茶では耐性がどれも同じであるために、アっというまに病気が広

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