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  • 岡村友章

発酵茶をめぐる旅 / ビール・アイス・地蜜


おはようございます。

台風が近畿にも近づいています。慌ただしくなる前に、防災の備えを済ませておきましょうね。

お家でゆっくりされている方。ちょっと退屈なときがあれば、お読みいただけると嬉しいです。

徳島県上勝町を、7月から2か月ぶりに再訪しました。

ここ上勝町は、「上勝阿波晩茶」の産地。

世界でも非常にめずらしい発酵茶に属するもので、乳酸菌の助けを借りてつくる爽やかでおいしい日常茶。我が家の子どもたちも毎日飲んでいます。

※烏龍茶・紅茶の製造でも「発酵」という言葉を使います。これは酸化酵素とポリフェノールの働きによるもので、阿波晩茶・味噌・ヨーグルト・納豆のように醸してつくるものとは異なります。

今回の訪問にはふたつの目的が。「上勝阿波晩茶祭り」と、上勝のおいしいもの探し。

台風が迫るなかなんとか開催されていた晩茶祭りには、町内で晩茶づくりを継承して販売している10軒の農家が出店。無料で試飲もして、農家ごとの味わいの違いを確かめることができました。

乳酸発酵茶といっても、原料、漬け込みに使う木桶に住む乳酸菌のバリエーション、発酵のさせ方など段取りはみなさん異なります。思った以上に違いのある阿波晩茶の世界です。

写真の女性は、畑中春美さん。当店では、畑中さんの晩茶を扱っています。7月にお茶摘みと製造をご一緒させて頂いて以来の再会でした。お元気そうで何より!(私は右です)

畑中さんだけでなく、この晩茶にはほとんどの農家さんが農薬を使いません。また茶樹は多くが山の急斜面に生える希少な在来種で、味わいだけでなく環境そのものが類まれなお茶です。

畑中さんとの出会いは、そもそもこの冊子がきっかけでした。

阿波晩茶ガイドブック 晩茶の旅 2017

祭りの実行委員会が発行。町内の農家さんたちを一軒一軒紹介し、晩茶の楽しみ方や製造方法、晩茶から広がる新しい地域名物の紹介などが丁寧になされています。

畑中さんの記事をここで読み、どうしてだかこの人と会ってみたくなったのです。そうして思い切って問い合わせ先であった「上勝開拓団」の仁木さんと連絡をとり、畑中さんのお茶摘みにあわせて訪問できるよう間を取り持ってくださったのです。(あとから知ったのですが、仁木さんは、かの「ウルルン滞在記」の演出も担当しておられたそうだ…!)

天候はあいにくの雨でしたが、会場には地元の方と思われる方々もたくさん。

10軒の農家が並びますが、そもそも上勝には今のところ70軒ほどの生産者がいるそうです。といっても、ほとんどは自家用に細々と生産しておられて、販売するだけの生産量がある農家は限られています。

湯呑みが貸し出されて、好きなだけ飲んで回る…目の前に生産者がいるので話も聞きたい放題です。

あこがれの音楽家が並んでいて、なんぼでも生演奏を自分のためにしてくれて、しかも楽曲の製造秘話をなんぼでも聞かせてくれるのと、私には変わりない状況でした。しかも無料…

会場には晩茶を使った食品も多数。

私たちは、晩茶の揚げ餅と、あんみつ、それからアイスクリームを頂きました。

このアイスクリームは、地元のお母さんたちが立ち上げた「上勝彩食品グループ」がつくる「しあわせアイス」。晩茶を粉砕して練りこんであり、抹茶アイスのようだけどちょっと違う味わいのするユニークな商品でした。添加物は一切使っておらず、できるだけ上勝か徳島産の食材を使用。ウェブサイトを見ると、「添加物の使い方は知らん」と書かれていました。

そういうのがわたしは一番好きです!!

今回の旅では、前日に上勝町に入っていましたので、ぶらりと町内のおいしいものを探して回っていました。今後、当店でも茶産地のおいしいものを送ってもらい、みなさんに紹介することをはじめたいなと思っているのはここだけのヒミツです。

こんな場所もありました。

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store

上勝町が公式に宣言している「ゼロ・ウェイスト」の普及活動も兼ねているクラフトビール屋さん。ずっと気になっていた阿波晩茶を使ったビール「IPA(インディアペールエール)」。ホップをたくさん使った苦みと、香りつけに使われる阿波晩茶の風味がユニーク!

オシャレだけど、Rise & Win って、くだけたダジャレ心が素敵です。(…わかりますよね...?)

田舎に突如として現れる外観も独特なビール工房。

店主の和田さんにお尋ねしたところ、地元の方も立ち寄ってくれるようになってきたそうです。思わずその場で飲んでしまったので、運転を妻におねがいして、次の目的地へ…

中岡商店。

もともとは山中の鮮魚店でしたが、今では青果や日用品も。地元の人たちの好みにあわせて、徳島の卸売市場から仕入れた鮮魚を販売しています。こういう店は本当に少なくなっていると思いますが、地元の方々の交流の場ともなっているようで、居るだけでなんとなくほっとします。

私がここを訪ねたのは、「晩茶の旅」でちらっと触れられていたハチミツを買うため。

創業者の中岡さんは15年ほど前から、趣味で日本ミツバチの地蜜を採取しはじめて、少しだけ販売しているというのです。土地の蜂がとったものを「地蜜」というそうです。

西洋ミツバチのものが主流である昨今、たいへん希少な地蜜…あるかな?

息子さんが応対してくれましたが、ハチミツの話となると詳しくはおやじが…という訳で、奥から創業者の中岡さん登場。

思いがけず、ハチミツ採取の苦労や楽しみ、巣箱の設置方法などなど…めちゃくちゃ詳しいハチミツ話をたっぷり伺うことが出来たのです!(写真は、お店の裏にあった巣箱。まだ蜂は入っていません)

せっかくだから、ここに残しておきます。

・去年はハチが居らずほとんど採れなかった。上勝だけでなく、全国的な現象だった。

・ハチミツは杉林のような造成林ではなく、雑木林のほうが向いている。しかも農薬を使用していない場所でなければならない。(昨年の不作は、飯田辰彦さんも著書で再三指摘しているネオニコチノイド系農薬との関連が疑われるのかもしれません)

・野山のいろいろな花の蜜を集めるから、百花蜜という。

・市販のハチミツは、殺菌のため加熱するものが多いが、それだと蜜が死んでしまうため、加熱しない。ハチミツは生きている。

・市販のハチミツは、不純物やハチの子を取り除くため遠心分離機を使用するが、地蜜だとその方法ではなぜかうまくいかない。子はピンセットでひとつひとつ取り除いて、しかも重力によりゆっくりと巣から蜜が滴り落ちるのを待つ。

・巣の個体が増えると、分蜂といって別なグループができる。このとき、巣に適した場所を探す斥候のような蜂がおり、彼らに巣箱を見つけさせないといけない。分蜂は、元の巣から1km内くらいで定着するので遠くへは行かない。

・ひとつの巣箱から、1升くらいのハチミツがとれる。

中岡さんによれば、来年にそなえて2つの巣箱が設置してあるそうです。

仮に2升とれても、ほんとうに少ない量…そのうち自家用からはみ出る分を細々と販売しておられるのですから、どれほどに蜂蜜が本来希少なものか、わかっていただけると思います。

幸運にも500gほど、店頭に残っていたものを買わせていただくことが出来ました。

まず、フタをあけたときにビックリ。「プシュ」とガスの抜ける音が…

もしかして発酵しているのか…?

スプーンにとると、琥珀色だった蜜のなかに、無数の泡が…私が知っている蜂蜜と、全然違う何かがあるように思えるのですが…むやみに礼賛することなく、こうしたことはなぜ起きるのか、ちょっと調べてみたいと思います。

ちなみに味わいは最高でした。いままで食べた蜂蜜で、だんぜん、一番おいしい…

口当たりはとてもさらりとしていて、粘度はとても低いようです。甘味も強いのですが、喉に貼り付くような嫌みはなく、ほのかに酸味も感じます。香りはずっと口にのこって爽やか。

中岡さんは、パンに塗るか、コーヒーに垂らして楽しんでいるそうです。

私は別にセイヨウミツバチの蜂蜜がだめで、ニホンミツバチであってしかるべきとは思っていません。でも、その土地にもともといる生き物と、土地の自然な交流から生む結晶であるハチミツの魅力を、こんなにも感じたことはありませんでした。

中岡さんを介して知ることができた世界です。感謝。

そんなわけで、お茶やら、ハチミツやら、さまざまなものを楽しむ1泊2日。

登場したものをまとめてみたいと思います。リンクも設定していますので、気になったところはぜひのぞいてみてくださいね。

お祭りのことなら…

上勝阿波晩茶祭り

上勝をおもしろくする仕掛人…

上勝開拓団

晩茶のことを知りたいなら…

「上勝阿波晩茶ガイドブック 晩茶の旅」

晩茶アイス…

上勝彩食品グループ

晩茶ビール…

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store

私が宿泊したのは、町内の民宿「花びより」さん。

料理はおいしいし、ご夫婦はほんとうにいい人たちだし、安い。おばちゃんがシンディー・ローパーにちょっとだけ似ている。

そして最後に自分の宣伝です。

畑中さんの晩茶を飲んでみたいなら、どうぞ当店におまかせを。

「阿波晩茶」 ¥2,200 / 120g(送料別)

無農薬 有機栽培 ほぼ在来種(一部ヤブキタ種が混じります)

クレジットカード払い / ゆうちょ銀行振り込み / 現金書留 可

以下へお気軽に問合せください

Eメール nihoncha_okamura@outlook.jp

電話 080-6154-6166

FacebookページからのDMもOKです

まずは試飲してみたい…というときは、ちょうどよいイベントがあります。

10月19日(金)14-19 @ YUiNO NU茶屋町+ 店

生産者の顔が見えるとっておきの日本茶試飲販売会「徳島の宝物・発酵茶」