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  • 岡村友章

急須は子どものものである。


こんな急須があるのを見つけました。

なんでも、ペットボトル消費により下火になってしまった急須使いを「日本のおもてなし」として東京オリンピックを機にもう一度リバイバルさせようという取り組みの一環なんだそうです。国の助成を受けた事業のようですね。

→ 「淹れよう日本茶プロジェクト」http://www.welcomecha.jp/

※せっかくおもしろいビデオなのに、再生回数がぜんぜん伸びていないのが悲しいです

私は、「日本のおもてなし」というコンセプトそのものには首をかしげますし、東京オリンピック誘致も個人的には反対という立場でおります。

おもてなしは日本の専売特許ではなく、外国を旅すれば誰でもわかることですが、気を遣わせず親切にしてくれる人というのはどこにいってもいるものです。オリンピックはともかくお金を使いすぎだし、ボランティアに関する国の態度は問題を抱えています。

とはいうものの…

この急須はおもしろいし、急須に代わる淹れ方を提案していくというよりは、江戸期から続く急須でのお茶淹れに何が何でも固執している様は、がんこで好きです。ほかに飛びつきにくい、業界的な事情もあるでしょうけれど。

3歳の娘にこの「急須くん」のウェブサイトを見せたところ、はじめ「要らん」と言っていたのに、その日の夕方には「やっぱり欲しい」と言い出しました。

すでに急須でお茶を淹れられる娘ですが、これを買ってあげたらどんな顔するだろう…と、それだけのために、内緒で注文しました。

子どもに急須を買うとどうなるか、ご覧ください。

そして、いいなあと思ったら、別に「急須くん」じゃなくてもいいので、ひとつでいいからシンプルな急須を子どもに持たせてあげてください。割れることもありますが、いいのです。

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2018年10月12日 夕刻

佐川急便のお兄さんが何やらお届けものを…

「コマチちゃんへのお届けものが来たよ」と手渡す。にわかにソワソワし始める。

急須くんを注文したことは黙っているので、何なのか見当がついていない娘…

開封!

「!!!!」

「急須くんやん!!!!」

ここまで喜ぶとは思っていなかった歓喜ぶりが写真ではなかなか伝わりませんが、めちゃくちゃ喜んでいました

緩衝材も気になるらしい。あとで遊ぶのだろう。

冷静に眺めてみると、オーソドックスな朱泥の急須に、目とほっぺのマルがついているだけである。

ちなみに茶こしの部分は陶製ではなく金網。そこは、そこは、陶製茶こしであってほしかったなー。

非常に危なっかしい持ち方をする。普段ならこんなことはしないので、感情の高まりがよくわかる。

さっそくお茶を淹れてくれる。

「何を淹れるの?」と聞くと、「蓮ちゃんの緑のお茶がいい」と言いました。ちょうど山形蓮さんのお茶は自宅用がなかったので、「船本さんの釜炒り茶もあるけど」というと「じゃあ船本さんがいい」と娘。前回の記事では、「茶種ではなく人でお茶を選ぶこと」について書いたところなのでタイムリーな流れです。

感情が高ぶっているので、なぜか茶葉ではなく湯を先に注いでしまう娘。

やりなおしたところ、今度は感情の高ぶりから手元が安定せず茶葉をたくさんこぼす。

人は動揺すると平時のパフォーマンスが出せないことを痛感する。

ともかく、何とかお茶を淹れてくれました。

…あー、おいし。世界で一番おいし!最高!

という訳で、子どもに急須を持たせると楽しいですよ、というリポートでした。みなさんの体験記もお待ちしています。ブログに載せていいよという方がいましたら、ぜひお話を聞かせてくださいね。

という訳で、当店は「急須推し」です。

おまけ。

1歳児も事の成り行きを興味深そうに眺めます。

彼、実は娘よりお茶をたくさん飲むので将来有望であると妻と話しています。

が、いま急須を渡すと投げ飛ばす可能性があるので…!

もうちょっとしたら一緒にお茶淹れようね。

※後ろに写りこんでいるのは、急須の霊ではなく妻です。


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