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  • 岡村友章

枝が入ってるんですけど…


こんにちは。

きょうは、時折よせられるコメントについてお話をしたいと思います。

「いつものかまいりちゃ」をお買い上げいただきました方々は、パッケージを開封するとびっくりされるかもしれません。

なにしろ、ちょうど今の時期、あたり一面に落ちている落ち葉そのもののような形状をしているからです!それに固い枝まで混じっています。

お茶といえば、深緑をした茶葉が、こよりのように撚れてピンと伸びた形を連想しますよね。

だから「なんで落ち葉みたいな見た目なんですか?枝だらけなんですか?」というご意見を時々いただくのも無理はありません。

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まず、一般的なイメージである「煎茶」のことをお話させてください。

煎茶は5月ごろ、その年最初の新芽が伸びてきたものを刈り取って製造します。このとき茶葉はまだ柔らかく、茎の部分は枝のように硬化しておらず、しなります。

この素材を蒸して、揉んで内側の水分を絞り出しつつ乾燥させるのです。こうして、みなさんが連想する「よれた茶葉」が出来上がります。揉みこむからカサも小さくなります。

一方「いつものかまいりちゃ」は、製造する時期が全く違います。

このお茶は3月ごろ製造します。刈り取る茶葉は前年から冬を越し、大きく成長して固くなったもの。茎の部分もすっかり硬化して、茎というよりはもはや小枝といったほうがよいかもしれません。

これを釜で炒り、軽く揉んでから天日干しして完成させます。揉みこみは煎茶のようにしっかりとは行いません。茶葉が硬いから、あまり力を加えすぎるとボロボロと砕けてしまいます。

そのようなわけで、「いつものかまいりちゃ」は、このように素朴な見た目のお茶となるのです。揉みこみをあまり加えていないと、ひとつイイことがあります。それは、茶葉の組織があまり壊れていないから、湯に成分が少しずつしか出てきません。よって、何度もお湯を足して、たくさん楽しむことができるのです。

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しかし、これではなぜ枝がそのままパッケージに入っているのか説明したことにはなりません。

「おかむらは、枝を取り除くのが面倒だから、手抜きしているのでは…!」なんてどうか思わないでください。枝には枝のいいところがあるのですよ。

そこでひとつ実験をしました。実験が好きなのです。

ふだん皆さまに楽しんでいただくときには、葉と枝が混在した状態ですが、あえて分けました。

葉ばかり3g、枝ばかり3g、そして半分ずつで3gをそれぞれ用意。これに熱湯を注いで、少し待ってから味わいを確かめてみました。

さて、お茶といえば葉を味わうイメージですが、果たして枝には役割があるのでしょうか。それとも、私がカサ増しのために入れていることが明らかになってしまうのでしょうか。

「葉+枝」

いつもと同じ、ふわっと口に広がる甘さもありながらも、青々しい爽やかな飲み口です。いつもどおりです。

「葉だけ」

甘い香りは変わりませんが、味わいが少し強くなりました。舌に感じる味わいの成分は、枝より葉に多く含まれているからでしょう。

しかし「葉+枝」と比べると、味は濃くても平らな印象に変化しています。

「枝だけ」

甘い香りはしません。見た目とは裏腹に、青くてキリっとした香りがします。ただ、これだけだとお茶として飲むには物足りません。

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以上、3種類を比較しました。

バランスの面から言えば、葉と枝が混在しているものが最良です。葉だけのものは、味が濃くなるのでお茶漬けにはいいかもしれませんね。枝だけだと、ちょっと頼りない印象です。

というわけで、「いつものかまいりちゃ」には枝がたくさん入っていますが、枝にもきちんと香味を支える役割がありますので、気にせずお楽しみください。

ちょっと長い枝も入っていることがありますので、ポキポキと折りながら急須へ入れてあげてくださいね…