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  • 岡村友章

思い出の話


この週末は、江之子島で開催されている「えのこdeマルシェ」に参加しています。今日は初日。たくさんの方にお茶の話をし、また伺い、お茶とは関係ない雑談もたくさん…

お茶を売るためにイベントに立っていると、お茶にまつわる思い出話をしてくださる方もたくさんおられます。私とは個人的な縁が何もない話でも、不思議とほくほくした気持ちになるからおもしろいものです。

遠い昔の話をするときの皆さんの表情は、本当に穏やかで、ゆったりとしたものです。寂しそうな顔をなさるときもあります。

今日お伺いしたお話を、ふたつご紹介したいと思います。

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お1人目は、地元 大阪で生まれ育ったおばちゃん。

「お茶ゆうたら、昔は香ばしい玄米茶とかを飲んだな。今でこそいろんなお茶があるけど、昔は大阪ではほうじ茶をあんまり飲まんもんやったんや。私のお父さんなんかはな、ほうじ茶のことを、言葉は悪いけど『馬のしょんべんみたいや』と言って飲まんかった。」

今ではほうじ茶が大好きというこのおばちゃんにとって転機だったのは、南森町でかつて開かれていた公設市場だったといいます。

この市場のなかに評判のいいお茶屋が入っており、茶箱にほうじ茶をそのままたっぷり詰めて並べていたそうです。ほうじ茶の注文が入ると、茶箱からたっぷりと袋につめて売ってくれて、それが本当においしかったわ、と仰っていました。「めっちゃ安かった!」と、大阪では欠かせない要素ももちろん!

有名店である○○○のお茶は薄い!と、いかにも大阪びいきという気概も素敵で。自分がこだわりたいお茶のイメージを持っているのは幸せなことだなと、おばちゃんの顔をみて思いました。

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お2人目は、お父さんが長崎の田舎出身だという男性の方でした。

釜炒り茶をおすすめすると、「そういえば、僕の父方のいなかでも、おばあちゃんがお茶を作っていたのを思い出しました」とお話してくださったのです。

「自家用の茶畑があったんです。そこで手摘みして、薪の火のうえに釜をおいて、おばあちゃんは素手で炒っていました。手伝ったことがあるけど、かなり力のいる重労働でした。茶葉はむしろのうえで揉んで、また釜で炒るのを繰り返す。…だけど、これが当たり前のことだったから、田舎の話をするときにはわざわざお茶のことが話題にならないですね」

お茶のみならず、何でもつくる。隣近所とものを分け合う。家に帰ると誰かが玄関に野菜を置いている。貨幣を使わない交換経済。

そういうことが、当たり前だったと。

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こんなふうに、「そういえば…」という調子でみなさんは昔に見聞きしたことをいきいきと語ってくださいます。

これを聴くのが楽しくて、たくさん集めてエピソード集にでもしてみたい気分です。

さて明日も「えのこdeマルシェ」は続きます。どうぞ遊びにいらしてくださいね。

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告知

韓国茶と日本茶の一日「おそんどそん茶会」を開催します!

場所は大阪市内のプライベート空間にて。ご参加希望の方のみにアクセスをお伝えします。まだ午前の部・午後の部とも空席があります。


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