検索
  • 岡村友章

「やかんでお茶をわかす袋」で静かな抵抗を


あたらしい品物「やかんでお茶をわかす袋」が登場しました。食品ではないものを販売するのははじめてのことです。

これで全ておわかりいただけましたね?…と言いたくなるほどの、説明不要な一品です。だけど今日はちょっとその話をさせて下さいね。

この袋は、「手しごとスーク びわのたね」さんに製作を依頼して完成したものです。綿でできたシンプルな袋に、リネンのひも。製作者のfujicoさんのお人柄をそのまんま感じられるような穏やかな仕上がり。パッケージのやかんイラストに、なんだかヘナヘナしてしまいます(いい意味で!)。

使い方も至極シンプル。お茶を袋にいれて、ひもで口を結び、やかんでお茶をわかします。お好みで茶袋を取り出して、洗って天日干ししてから、何度でも再利用できます。すぐに茶渋がついて色合いに柿渋のような深みが出てくるでしょう。

取り出した茶葉は、ガーデニングをしている方なら土に還せばよいでしょうし、消臭剤や料理にも利用することができます。使い方はアイデア次第で、実はお茶の楽しみに幅を広げてくれる袋です。

---

どこのスーパーに行っても、お茶コーナーのあたりに使い捨てのお茶袋が販売されています。茶葉を入れた袋をヤカンや急須に投入して、飲んだあとの始末が楽になるようなもの。またティーバッグでお茶をつくるのは、昨今では急須・土瓶・やかんでお茶をつくること以上にポピュラーでしょう。

リーフ茶であっても、包装に使われるパッケージは、やはり捨てますよね。

このように「使い捨て」は、もはや「使い捨てている」ということすら意識しにくいほどに、私たちにとって当たり前の行為となっている面があるようです。

もちろん、とって断定的によくないとすることは出来ません。お茶が飲みたいけれど、様々な事情があって、リーフ茶を淹れる時間や手間をとることができない方もたくさんおられるでしょう。私だってそんなことはしょっちゅうあります。

だけど当店では、なるべく使い捨てしたくないなあ。と思う方にとってひとつの選択肢になることを願って、「やかんでお茶をわかす袋」をご紹介することにしました。

お茶屋として日々感じることもあります。お茶がお客さまのもとに届くまでには、ほんとうにたくさんの量の粉が出てしまうということ。

もともとお茶は、写真のように生の葉っぱや茎。これを、様々な工程を経て最終的にはできるだけ乾燥させることで製品が完成します。炒ったり揉んだり裁断したりしているうちに、だんだんと細かい粉がどうしてもできてしまうのです。

こうした細かい部分は、ティーバッグに利用されることが多いかと思います。茶こしでお茶を淹れることもありますよね。(珍しい例としては、阿蘇の釜炒り茶をつくる東さんが実践しておられるように、地元で飼われている肉牛の飼料として地域内循環させるケースも)

当店でもお茶を袋づめする際に、粉の部分が多いものはあらかじめ目ぶるいして、このときできる粉茶を実は大量に保管しているのです。ティーバッグにするのもいいのだけれど、全て加工すると数があまりにも多くて大変。外注するのもいいのだけれど、そうするとお茶の値段に反映させなくちゃいけない。さてどうしたものか?と思っていたところです。

このお茶袋ひとつあれば、ティーバッグによるごみも出ないし、加工のために経費をかける必要がないから、すこし安く提供することができます。というわけで、粉茶と一緒にしてこれから出店先で紹介していこうと思っています。

何よりも、こうしたお茶袋は昔ながらの暮らしには、ふつうにあったものではないかと思います。

これでお茶をわかしたり、茶粥をつくるときの袋にするのです。そうして何度も使うことがごく当たり前で、袋を捨てるなんて思いもよらなかったような時代が、私たちのすぐ後ろにあったはずなのです。

だから、それをちょっとずつ取り戻す。

私は、暮らしのリズムをとってくれる「家でお茶を飲む」という家庭の習慣を「取り戻す」ことをひとつの幹としてお茶を紹介しています。

びわのたねさんの、優しくて肩の力が抜けるような仕上がりの袋に包んだのは、ちょっととがった、私なりのささやかな抵抗なのです。

販売に使用している丈夫なジップ袋も、やがては繰り返し使うことを前提にしたお茶の販売方法も模索してみたいと思っています。空袋持参で割引き!なんて。

---

「やかんでお茶をわかす袋」by 手しごとスーク びわのたね

本体部分: 綿

ひも: リネン

1ついり 210円

2ついり 390円

(ローテーションしやすい2つ入りがおすすめ)


© 2015-2020 by にほんちゃギャラリーおかむら