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  • 岡村友章

ごみのこと その2 / 私ができること・できないこと


前回の投稿「ごみのこと その1」に続く、ごみの話です。長いです。

小さな事業体であっても、ごみに対する社会的責任は同じ。むしろ、大企業から率先的に取り組みが始まっている向きすらあります。

今日は、当店が出しているごみをリストアップして、それらの再利用(Reuse)や、そもそもごみとして出さない(Reduce)可能性を考えてみたいと思います。

かなり細かくて個人的な話になりますが、記録にしておきたいし、せっかくなら考えていることを知ってもらえたら嬉しいなと思って残しておく次第です。

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にほんちゃギャラリーおかむらが出しているごみ

1. 商品パッケージ

お茶に大敵の光・酸素・湿度・温度のうち温度以外をほぼシャットアウトできるものを採用しています。口にはチャックがついているので、一度開封してもほぼ密閉可能。おおむねひとつ 20~60円くらい。なかなか高価な袋なのです。

ごみではないのですが、使い方次第でごみに。

REUSE / 再利用してください

とても丈夫です。捨てずに再利用してください。乾物などの保存に向いています。塩・砂糖など調味料にも。

REDUCE / 量り売りの可能性

本音は、このパッケージを使用する頻度を減らしたいと強く思っており、一度お渡しした袋を再び持参いただいて量り売りする手法を採用できないか検討しています。REUSEも兼ねますね。単に環境意識だけでなく、この方法でお茶を手渡すことができれば、コストがかからないからお店としてもとても有難いのです。利用促進のためにパッケージ代を割り引いたり、増量サービスなんてことも考えられますね。

ただ、量り売りの実現には大きな壁があります。密封していない茶葉の袋を、開けたり閉めたりしながら販売すれば、酸素にさらしてしまうので一気に劣化を進めてしまうリスクがあります。毎日ものすごい量が売れて回転が早ければ別なのですが、それはむずかしいです。紅茶や焙煎のきいた番茶なら比較的やりやすいかもしれませんので、まずは焙じ番茶や三年番茶からなら、始められそうです。

2. パッケージについている商品説明と金属クリップ

お茶の製法や淹れ方を書いた名刺サイズの紙を、クリップでとめて販売しています。「持ってるからもう要らないよ」とよく言われるので、これは考えねば…

REUSE / 同じ商品をリピートの際は、不要の旨をお申し出ください

また次のお客さまにお渡しすることができます。

REDUCE / 説明カードとクリップの使用をやめる

パッケージに最初から印刷しておく方法も検討しています。これなら、原材料の表示ラベルシールも一括して印刷できるので一石二鳥。ラベルシールを手元で印刷したり貼ったりする手間も省けるので、できた余分な時間で仕事をするよりも、本を読んだり子どもと遊んだりすることもできるでしょう。

そのためのコストは1商品あたり15円ほどになりそうです。お茶の価格を維持するなら、現行のクラフト袋から、少し安いアルミ袋(品質はほぼ同じ)に変える必要があります。デザインは全くもって別なものになるでしょう。

デザインと価格のためにごみ問題を諦める…といっては極端ですが、見た目よりも値段を今のまま維持し、ごみを抑制することのほうが、大切だろうという直感はあります。

ただ消費税増税にともなって、いずれ価格の見直しは必至と思っています。ごみを減らすためのデザイン一新と価格変更を行って、いろいろな問題をまとめて解決してしまうのも良さそうです。

ちなみに、使用する袋を変更するときに、商品名を全て統一感があってわかりやすいものにする予定です。たとえば「いつものせんちゃ」は「日野煎茶」「政所煎茶」といったふうに。産地名+茶種のシンプルなものにしようと思います。

これらはなかなかの力わざで商品イメージをかなり変えてしまう取り組みなのですが、どうせやるなら早いうちにやっておいたほうがいいにきまっています。

本当の意味でお茶と作り手のすばらしさを伝えるべきのは、パッケージではなく、あくまでもイベントに立っている私や、信頼している小売店の方々のことばです。

お茶のおいしさと人間の力で勝負。そのほうがおもしろい!それを前提においたときに活きてくるデザインというものも、きっとあるのではないでしょうか。

3. 試飲とテイクアウト喫茶の容器

もともと試飲するときには使い捨ての紙コップを使用していました。100均で買える、ひと袋60個入ったもの。

ただ、ごみは増えるし、何よりも紙コップで飲むお茶は基本的においしくありません。紙のにおいがお茶の香りをかなり邪魔してしまうために、現行の小さな陶器に変更しました。

持ち帰って洗うので水資源を使いますが、紙コップ需要をちょっとでも減らし、取り組みを他の事業者さんに知ってもらうことができれば、そのようが社会的な影響はあるかなと思います。

さて問題はテイクアウト喫茶。今のところは紙コップとストローで提供し、マイカップやマイボトルを持参いただければ容器代を割り引くことにしています。ただ、マイボトル持参の方の割合はオーガニックを謳うようなイベントであってもかなり低く、あまり功を奏していません。

→REUSE / 紙コップのリサイクル。どこまで意味があるでしょうか。

紙コップを再利用する方法を考えられないわけではありませんが、耐久性もさほどないことからサイクルの非常に短い使い方になるでしょう。それならば、そもそも使わないことにしたほうが有益です。

→REDUCE / テイクアウトをやめてしまうのはどうか?

私が「テイクアウト喫茶をやめてしまう」のがいちばん簡単な方法です。そもそもなかったことにできるのですから。ただしそれは、茶葉の販売だけで十分な利益を継続的に確保できる状態にもっていかなければなりません。

もっといえば、私が商売をしないことでごみは無くなります。でも、そのオプションはナシ。私には私のやりたいこと、伝えていきたいことがあるからやっているのです。もしもこの自問に耐えられなくなったら、いよいよ廃業するときなのでしょう!(笑)

さて、ひとまずテイクアウトを継続するとして、それならいっそのことこちら側で素敵なカップを用意すればよいでしょう。割れる陶器は外だと危ないので、落としても簡単には割れずお茶にも影響の少ない「木」はどうでしょう。信頼してお願いできる作家さんがいますので、今後こちらにも取り組んでいこうと思っています。

木のうつわでお茶を飲むのも、なかなかホッコリしてよさそうではありませんか?

テイクアウト喫茶があるからこそお会いできるお客様の存在も意識して、前向きな気持ちで取り組んでみたいものです。

4. 持ち帰りビニール袋

ビニール袋は念のため用意していますが使う頻度はとても少なく、全く使わない日もあるくらいです。

REUSE / とても破れやすい安価なものです。一度きりの再利用が限界かも。

たとえば出先で赤ちゃんのオムツ交換をしたときの持ち帰り袋にするとか、どうしても捨てなければならない生ごみの処分に使うとか、何かと出番はありそうです。

REDUCE / 買い物袋をご持参ください。これに尽きます。

買い物袋やカゴは、ぜひお気に入りのものをひとつ用意するといいと思います。それだけで買い物がなんとなく楽しくなるからです!ちなみに私は、アフリカのブルキナファソという国で編まれた民芸品のかごを愛用していますよ。

5. 茶がら

試飲をするので、いちど出店するとどうしても茶殻がたくさん発生します。

REUSE / 茶殻の再利用法はたくさんあります

料理して食べる。水に溶けださない栄養成分がたくさん含まれています。

床にまいてほうきで掃く。ちりが舞わず、畳ならつやを出すといわれています。

煮出して拭き掃除やうがいに使う。天然の殺菌作用があります。

乾かして枕の材料にする。

堆肥にする。

REDUCE / 試飲をしないか、数を減らす

試飲をやめるのは、できません。買ったはいいけれど、家に帰って飲んでみたら苦手な味わいだった…では生産者も私もお客さまも悲しいですから。

幸いなことに茶殻は使いみちが豊富なので、無駄になるということがほとんどありません。

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当店が出す「ごみ」になりうるもののうち、主たるものは以上のとおりです。

社会全体からみて、当店がごみを減らしたところで総量は微々たるものでしょう。でも取り組みを積極的に発信してみなさんの考えとすり合わせたり、共有したりして、単にお茶を売るだけでなくおもしろおかしくごみ問題を小さくするよう努力します。

お茶はおいしく、ごみは少なく。