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  • 岡村友章

翻訳 / すべての食べる人へ


当記事は、ウェブサイト "U.S. Farmers & Ranchers Alliance Blog" の記事 An Open Letter To Everyone Who Eats by Amanda Zaluckyj, Farmer | September 25, 2017 を、ライターである Amandaさん本人の許可を得て翻訳・公開するものです。

農薬・肥料・遺伝子組み換え技術…食をめぐる問題において、消費者と農家の間にある乖離を指摘し、「ぜひ農家と話を」と訴えるアマンダさんの話には共感を覚えましたので、ご本人に連絡をとりました。

私自身もお茶を売るときに「無農薬」「自然栽培」「大量生産ではない伝統製法」だなんてよく言っています。それらを愛するとともに、それとはある意味で対極にある農業を否定することは決してしたくないと思うひとりです。現在の食生活で、それらの恩恵をいかに受けているかは計り知れないからです。

必要なのは対話。それしか歩み寄る方法はないと思っています。様々な議論の種になればと思い、ここでシェアいたします。

以下、すべて元記事の翻訳です。

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食べる人たちへ

私はアマンダといいます。今は弁護士として仕事をしていますが、ミシガン州の南西で農家のもとに生まれ育ちました。実家では現在、2,000エーカーのとうもろこしと大豆を栽培しています。私も兄弟も、農場で働きました。それから作物の販売所も路肩にもうけて、農場で採れた新鮮な作物を売っていました。とうもろこし、トマト、カンタロープ、キュウリ、ズッキーニ、桃、ブルーベリー、キャベツ、なすびに、それから…

「食べる人」と農家の距離は、開き続けてしまっているように思えます。農場から離れた世代が経ていくうちに、私たちの繋がりは希薄になっているのです。残念なことに互いの不信感は大きくなっていて、私がこの記事を書く動機になりました。たとえあなたが一度も農場に足を踏み入れたことがなかったり、農家と話をしたことがなかったとしても、いくつか知っておいてほしいことがあるのです。

▶ 農家の目的 - 安全で、栄養豊かで、良質な食品の供給

もちろん、農家は自身の家族を養い、家を守り、そしていろいろな支払いをしなければなりません。しかし、私たちは自分の栽培する穀物に大きな誇りをもってあなたの家庭へと届けています。トラクターから種まで、たとえ農法にどのような変化があっても、私たちの目的な安全で、栄養豊かで、良質な食品を供給すること。このことは決して変わりません。

覚えておいてください。私たちは自分で育てた作物を食べています。家族に害のあるものをつくることなど、決してありません。

▶ 今でも農家のほとんどは家族経営

現代のビジネスというものは、ただ利益を追求することにしか関心がなく顔の見えない巨大企業がやることのように思えます。しかし農業というものは今も多くの場合家族経営なのです。USDAによれば、米国の農家のうち実に97%が家族経営です。

たしかに農業は、法人化したり、握手ではなくフォーマルな文書を要求したりと、より洗練されたものへと変化しています。それでも、その仕事の中心にあるのはやはり家族。共に働き、共に育ち、共に生産する。一般に、私たちの目的は、次世代に農場を引き継ぐことです。

▶ 効率を上げ、環境を守り、持続可能性を確保するために、科学技術を用います

ドローンから遺伝子組み換え食品まで、科学技術は農場の暮らしをよくしてくれました。乳牛のために自動搾乳機を導入しています。土壌の状態はドローンが正確に教えてくれます。気候変動に対応した穀物を生産するため、遺伝子操作技術を利用しています。そのどれもが本当に素晴らしい!

しかしこられは、「マクドナルドじいさん」で歌われているような「農場とはこういうものだ」という先入観による風景とは、程遠いものです。

(※岡村注:「マクドナルドじいさん」(Old McDonald)はアメリカ民謡のひとつで、のどかな牧場風景を歌っているもの)

そのため、私たちが作物を生産する様子をみて不愉快に感じる人もいるのだと思います。もしあなたもそうだったとしたら、よく考えてみてください。スマートフォン、ナビゲーション、ソーシャルメディアに利用されている科学技術が、いかにあなたの暮らしを楽にしたか?

農業では、私たちはより効率的で、迅速で、有限である地球の資源を守るために科学技術を採用しているのです。

ぜひ農場を訪ねて、農家とお話をしてみることをおすすめします。今日では、ソーシャルメディアとインターネットのおかげで本当に簡単です!先入観は脇に置き、質問や不安に思っていることをぶつけてみてください。たいていの農家は、農業についてお話するのをとても喜んでくれるものです。

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アマンダさんの他の記事は thefarmersdaughterusa.com. でどうぞ。

ライター / アマンダ・ザルッキ

ミシガン州の農家。U.S. Farmers & Ranchers Alliance が運営する Digital Voices 会議の一員。当記事で示された考えはライター自身のものです。ひとつないし複数のチェックオフ・プログラムによる資金提供を受けています。


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