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  • 岡村友章

阿蘇のお茶 終売


こんにちは。

今回は、さみしいお知らせです。

2017年12月からのお付き合いだった、熊本県阿蘇市の東昌史さんが代表を務める「畠中製茶工場」さん。茶工場の稼働、茶栽培、販売業のすべてを完全に終えられました。当店では先日まで在庫を保っておりましたが、このたび売り切れをもって東さんのお茶は終売となります。

実際には3月末をもって事業を完全に終了しておられます。まず何よりも、東さんとお母さんはそれぞれ変わらずお元気でいらっしゃいますのでその点はご安心を。

この件は、ほぼ半年経ったいま、ようやくここでも書こうと思えるようになりました。

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東さんの茶業は、母方のおじいさんから。おじいさんは地元農協の「いまどきどうして煎茶をやらないのか」という製造指導には聞く耳持たず、昔ながらのクラシックなお茶づくりを、古い機械を丁寧に管理維持して昌史さんの代に至るまで継続してこられました。

自園の茶畑だけではなく、周辺地域から茶葉の持ち込みを受け付けて加工を行うことも非常に大切な業務。

胸につかえずにすっと飲める香り高いお茶。とりわけ、2018年に製造された在来種の釜炒り茶は、私がいままでに飲んだことのある日本の釜炒り茶でずば抜けておいしいものでした。何度淹れても味わいのバランスが変わらなかったのです。

しかし…それほどの高いクオリティのお茶を作ることができる人でも、こうして事業を畳まねばならない場合があることを思い知りました。

熊本・大分県を襲った大規模な地震の影響などによる持ち込み茶葉の減少など、事業終了には様々な理由があったことを伺っています。そのひとつひとつを詳らかにすることは、ここではしないでおきたいと思います。

いずれにしても、傾向として日本では人口あたりのお茶消費量は減少していて、お茶の価格も安定しません。

この事実だけ見ていますと暗くなってしまいますが、1軒1軒の農家はその営みの様子も盛り上がりも全く異なっています。時流に乗ってうまくやっている人もいますし、ネット社会とほぼ関りを持たず武骨なお茶をこつこつ作っている人もいます。どっちも格好いいと思います。

つまり、統計では語れない一人一人の営みがあります。東さんには東さんの、想い、悩み、意気込みがありました。

彼のことは、芦北町の梶原敏弘さんが紹介してくださったのがはじまりです。できれば、もっと早くに出会うことが叶えばよかったと思うと同時に、だとしても東さんの決断に変わりはなかったかもしれない、と思いもします。

小さいからこそ出来ることもあると信じて日々なんとか過ごしていますが、このような事態に直面すると、どうしても肩を落としてしまいます。

でも、こうしてくよくよしている訳にもいきません。なぜかといえば、どこの農家だってそれぞれに大変だし、続けているだけでもスゴイと思う人がたくさんいるのです。先日お訪ねした満田さんだってそう。

東さんとのかかわりのなかで出来たかもしれないと思うことを、今度は好機を逃さずに、やっていく...

実はひとつだけ東さんのお茶について光明が射していることがあります。でもそのことはまだまだ不確定な部分も多いから、それは発表できるタイミングになれば、改めて。

彼のお茶のおいしさ、そこに込められた気持ちと時間の長さは、私がしかと受け止めていつまでも記憶しています。いつでも、まるで昨日のことのように、誰にでも語ってお話ができるように準備しておきます!

もちろん、これからも九州には何度も行くつもり。阿蘇の近くにいるときには東さんのところへ遊びに行こうと思っています。

最後に...はじめて彼のもとを訪ねたあとに書いたブログ記事をご案内します。

https://www.nihonchagalleryokamura.com/single-post/aso/2017/12