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  • 岡村友章

やってみなけりゃわからない / フタのこと


こんにちは。

にほんちゃギャラリーおかむら店主の岡村友章です。

「お茶の淹れ方」をテキストで読んだり、セミナーで聴いたことがおありの方でしたら、

小耳にはさんだことがあるかもしれません。

「お茶を淹れたあと、急須のフタは閉めたままにしない。少しずらして蒸れないようにしましょう」

それって本当でしょうか。

言われたからやるなんて、なんだかおもしろくありません。確かめてみないと。

そこで今日は実験!

まず参考に、いくつかの本ではどのように書かれているかみてみましょう。

◇『知識ゼロからの日本茶入門』山上昌弘監修、幻冬舎、2009年

→ 煎茶の淹れ方を開いてみるとこんなふうに書かれています。

「ポイント!茶葉の蒸れを防ぐ / 1煎目を淹れたら、急須の尻をたたいて平らにし、フタをずらしておくと、2煎目がおいしい。」

◇『日本茶百味百題』渕之上弘子、柴田書店、2001年

→ 淹れ方のパートに、フタについて記述なし。

◇『日本茶をまいにち飲んで健康になる』大森正司、キクロス出版、2016年

→ 同上

◇『日本茶全書 - 生産から賞味まで - 』渕之上康元・渕之上弘子、農山漁村文化協会、1999年

→ 同上

◇『別冊 Discover Japan_Gastronomie 世界が注目するニッポンの茶 エイムック3560』枻出版社、2016年

→ 同上

… あれれ。ふと手に取った5冊をめくってみれば、そのうち1冊にしか「急須をずらす」が書かれていません。これは、不要ってことでしょうか。企画倒れ!?

でも、せっかく振り上げたコブシです。やってみないことには。少なくとも1冊は「ずらせ!」と書いてありました。

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シンプルな実験です。

トップ写真のとおり、蓋椀(がいわん)を使いました。全く同じものが2つあるので、同時に実験を進めます。

念のため、お茶を2種用意。

・荒茶(選別加工をして煎茶になるまえの、粉や茎の混じった緑茶)

・釜炒り緑茶

どちらのお茶も、まったく同じ条件で1煎目を淹れます。そして同じ香味で抽出できていることを確認します。

その直後が問題!

1煎目を淹れた蓋椀の一方にはフタをせず、もう一方はフタをして敢えて蒸れるようにしました。そして10分ほどそのままにします。

10分後、フタをしなかったほうは冷えていました。

フタをしたほうは通気しなかったので、まだ温かい。

その状態で、再び全く同じ条件で2煎目を淹れます。

結果発表!

フタをしたまま放置したお茶の2煎目は、荒茶でも釜炒り茶でも、フタをしなかったお茶に比べると渋みが少しだけ強く出ました。逆に言えば、フタをせず蒸れないようにしたほうは、すっきりとした2煎目となったのです。

念のため、それぞれ最初からやり直してみましたが、同じ結果に。

どうやら「フタすべき説」は本当のようです。

とはいえ、しなかったからといってマズイお茶になったかというと、そうとも言えません。平行して淹れて比較したからわかりました。日常でさほど気にすべき差ではないというのが私の正直な感想です。

それにしても、どうしてフタをして蒸れたら味が強く出てしまうのでしょうね。蒸し料理のように、葉に水分が浸透して成分が出やすい状態になったのでしょうか。

ともかく…さわやかにお茶を楽しもうと思うながら、とりあえず「フタしない」としておくのがよいようです。

以上、誰も実験なんてしないかもしれないから、かわりにやってみました。参考になるかどうかわかりませんが、試さずに「フタしちゃダメ」と言うか、試したうえで同じことを言うのとでは全く違います。

今日はこれまで。お付き合いいただき有難うございました。

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<お知らせ>

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わたしの地元・島本町の「なないろ舎」さんにて。原料からこだわり、生産や流通などあらゆる事情に精通した +chocolatの宮原さんとコラボして行います。お茶とチョコの新境地。

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大阪・中崎町のギャラリーカフェ matsuri さんにて。

shoku;takuさんと一緒に、日本茶で表現するハレとケの料理をお楽しみ頂きます。

10月19日(金)

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大阪・NU茶屋町+のYUiNOさんにて、恒例の試飲会。