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  • 岡村 友章

本がないと困る

にほんちゃギャラリーおかむらは、「出版物の総額表示義務免除が終了し、義務が課されること」に反対し、「税額を分けた表示が今後も認められること」を切望します。



本の価格表示について、消費税を含めた総額表示はこれまで義務が免除されてきました。


でも、来年の4月からは義務が課されることとなったそうです。



☝️です。


4月以降に出版されるものでも、既存の本はデザインをやり直して印刷することになるのでしょうか。なんという無駄な手間と費用だと感じます。


それに、出版物というのは必ずしも回転の早いものではないと思います。私自身、ずっと前から並んでいる本をある時思い立って連れて帰ることもあります。


そういう、前から並んでいるものはどうなるのでしょうか。出版社に返品してカバーをつけかえてもらうとか、人海戦術でシールを貼るとか、総額表示にしたスリップ(購入前の本に挟んであるしおりのような紙)をはさみ込むとか、様々なやり方があるのかもしれません。


いずれにせよ、今のままほったらかしておいたらいけないようです。


やり直しのために出版社に返品してしまったら、余計なコストがかかるばかりです。運送費は?カバーの再デザイン費用は?印刷費用は?それに、本屋さんが買い取った本についてはどうなるのでしょうか。


twitterなどでこの問題について書いておられる方もたくさんいますから、覗いてみてください。無駄な仕事やコストがかかってしまう出版社や本屋さんは、潰れてしまうかもしれません。


そうなると社会が脆弱化するでしょう。

本は多くの人にとって居場所であって、健やかな社会の体力づくりを担っています。


そもそも、消費税は上がっています。そのたびにいちいち印刷部分を変えなければならないのでしょうか。もしこの義務化をいま押し付けるなら、消費税はゼロにしてほしいくらいだと思います。


(当初の政府のうたい文句とは異なり、消費増税分のうち生活に還元されていない部分が大いにあることが昨今指摘されていることも思いますと、なお納得のいかぬ話です。菅総理大臣は、少し前にいずれ消費税の再値上げが必要であるという認識を明かしました)


私たちの生活に、ある時は爽やかな乾きを、またある時はずっと浸りたい潤いを、静けさも興奮も与えてくれる本という存在。それを担っている出版業界の方々を思うと胸が痛みますが、この問題はそこだけに留まりません。私たちの生活が脅かされていると感じます。


日本には思想信条の自由があります。ある、とはいっても、それを押し広げてくれたり、肉付けしてくれたり、ときには「間違っているかも」と立ち止まらせてくれる存在が必要不可欠。その代表選手は、本です。


どんなにか、これまでに本があることで救われてきたでしょうか。そして、前を向かせてくれたり、立ち止まって後ろを振り向いたり。


駅前にある行きつけの本屋さんに今日も行ってみると、あくせく働いておられる。


いま政治はどこを向いているのでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大で買い物が落ち込む昨今、政治はこうした人たちを真っ先に安心させてくれなければならないはずです。そもそも、こういうことが起きると予期できなかったのでしょうか。


総額表示義務は、消費税を見えなくするための策か?なんて勘ぐりたくもなります。


なにはともあれ私は今日も本を読みます。でも、とくに目的はありません。「〜のために読む」となってしまったら息苦しいからです。

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