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  • 岡村 友章

We missed "us"



きょうは京都の宝ヶ池公園で開催された「あそばな秋まへん」に出店してきました。大規模な野外イベントは本当に久しぶり。先日の4連休で余暇を満喫された方も多かろうと思いましたが、それでもなお想像以上のご来場者数。あれよあれよと言う間に、食べ物はどんどんと売り切れていきます。


私自身も本当に久しぶりにお目にかかるお客さまや出店者さんたちと声を掛け合い、いったい何度「お久しぶりです!」と言い合ったかわかりません。そのときだけは思わずマスクを外して思いきりの笑みをみせてくださる方も、マスクを身につけていても笑い顔がよくわかる方もいらっしゃいました。

会って話ができることのありがたさを繰り返し感じ入っては、余韻に浸っているうちにまた新たな「久しぶり!元気にしとった?」。


出店に明け暮れていると日々の売り上げに振り回されてしまいます。もちろん、たくさん稼いで、心地よい疲れを感じながらごくごくと飲むビールは格別です。あるいは、いつもよりちょっと奮発していい惣菜を買ってみたり、気になっていた出店者さんの品物を買ってみたり。たくさんしゃべりすぎていがいがする喉も、なんだか埃っぽい体も、勲章です。


でも今日は、自身が「会って話す」ことでどれほどの安心をもらっているのかを否応なしに思い知る1日でした。売れたとか売れなかったとかそういう問題を超越して、久しぶりの再会を喜ぶ声がそこかしこから聞こえてくる喜び。子どもたちは好きなように芝生を走り回って、今日ばかりはと大きな声で叱りつける大人もいません。


秋の心地よい乾きを帯びた自由の空気をいっぱいに吸って、誰もがきらきらと輝くすばらしい1日でした。


Stay homeとモニター越しに呼びかけあった日から、どれほどの月日が経ったでしょうか。まだまだ新型コロナウイルスをめぐる私たちの生活の波は落ち着きそうにありませんし、何よりこれが去ったあとも私たちが今の人間のありかたを継続しようとする以上は、疫病は絶え間なく出現し、私たちに問いかけを残していくことでしょう。


でも、せめて今日ばかりは、と旧交を温める風景がたくさん見られた9月27日。「家にいなさい、そして密を避けなさい」を忠実に守ってきた人ほど今日をうれしく迎えたのではないでしょうか。人は寄っていなければ生きていくことはむずかしいのだと思います。


出店のテント裏では私の妻が、久しぶりに再会した友人と長いこと話し込んでいました。積もる話のいったいどれからはじめたらいいのだろうと、そんな様子でした。


ものの売り買いをするマーケットという場ですが、本当の価値は集まって話をすることにあります。顔なじみの元気であることを確認して安心し、そして予期せぬ偶然の出会いを心から楽しむ。私は商いに心をのせてお客さんに商品を手渡し、そしてお客さんの心を受け取ります。お互いに温もってこそ、よい商売なのだと信じています。


すべてはお茶と、それをとりまく人々の気持ち、そして応援してくださる家族やお客さんたちのお陰です。


もちろん、油断禁物。「最善」を尽くすために精神をすり減らすよりは、ちょっと抜けもあるかもしれないけれど心と体のバランスを考えた「ベター」な選択を続けながら、また明日からも健やかに暮らしていこうと思います。きっとそうしましょう。

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